将来のビジョンがぼんやりしている自分へ!焦らなくてもいい理由と気づき

思考法・マインド

「5年後、10年後、どうなりたい?」

社会人になると、当たり前のように聞かれる言葉です。

けれどその問いに、スラスラと答えられる人がどれくらいいるでしょうか。

会社の研修や面談で聞かれるたび、私は少し居心地の悪さを感じていました。

頭では「明確なビジョンを持たなきゃ」とわかっている。

でも、心の中はいつももやがかかっているような状態。

何かを目指したい気持ちはあるのに、

「何を目指したいのか」が分からない。

気づけば周りの友人たちは転職や副業に挑戦し、

SNSでは「夢を叶えた」と発信している人も増えていく。

そんな投稿を見ながら、

「自分も何か動かなきゃ」と焦る気持ちと、

「でも、何をしたいのか分からない」という現実の間で、

心がずっと揺れていました。

当時の私は、自分の未来を語れないことを「欠点」だと思っていました。

でも今振り返ると、

ぼんやりしていたあの時間こそ、

後から振り返って一番大事な時期だったと感じています。

将来のビジョンが描けなかったあの頃

社会人5年目のころ。

仕事には慣れ、少しずつ任されることも増えてきた時期でした。

それでも心のどこかで、「このままでいいのか?」という不安が常にありました。

朝起きて、電車に乗り、会社で一日働き、帰って寝る。

その繰り返しの中で、

「自分が何のために働いているのか」が、わからなくなっていました。

特に、同僚が「自分は〇年後に独立したい」「海外で働きたい」と話しているのを聞くと、

素直にすごいと思う反面、どこか胸が痛みました。

「自分には、そんな明確な夢がない」

「何か目標を持たないといけないのに、見つからない」

周りに比べて、自分だけ取り残されているような気持ちになりました。

その焦燥感こそが、当時の私を一番苦しめていました。

SNSを開けば、

「夢を叶えました」「自分のビジネスを立ち上げました」

というキラキラした言葉が並ぶ。

その裏にある努力や悩みなんて見えないのに、

自分だけが何もしていないように思えてしまう。

一方で、何かを始めようとしても、どれもしっくりこない。

資格の勉強、セミナー参加、副業のリサーチ。

やる気はあるのに、心が動かない。

結局、「自分が何をしたいのか」ではなく、

「何かやらなきゃ」という焦りに動かされていたのです。

「ぼんやりしている」ことにも意味があると気づいた瞬間

転機は、育休期間中に訪れました。

いつものように、

子どもを寝かしつけて、スマホを手に取って、

副業リサーチをしていたとき、

ふと、手が止まりました。

「なんで私は、こんなに変わらなきゃって思ってるんだろう?」

そこに初めて気づいた瞬間、

心の中に少しだけ、落ち着きが戻ってきた気がしました。

そのあと、スマホのメモアプリを開き、

やりたいことの代わりに好きな時間を書いてみました。

・家族と話したり、遊んだりする時間

・人の話を聞いて共感している時

・新しいアイデアを考えてワクワクしている瞬間

書き出してみて気づいたのは、

私が求めていたのは「肩書き」や「目標」ではなく、

感情や状態だったということでした。

つまり、

「将来どうなりたいか」ではなく、

「どうありたいか」こそが、自分にとってのビジョンの根本だったのです。

その小さな気づきから、焦りが少しずつ薄れていきました。

完璧な答えがなくても、

今の自分を見つめることにも価値がある。

そう思えるようになったのは、この経験のおかげです。

ビジョンが見えない時に大切にしていること

これまでの経験から自分のビジョンが見えなくなったときに大切にしていることは大きく3つあります。

焦らず「今やれること」を丁寧にやる

今を疎かにして、未来ばかりを見ようとすると、

どこか地に足がつかない感覚になります。

私も以前は、「もっとスキルを」「もっと成果を」と

常に“未来”に引っ張られていました。

けれど、ある時期から少し考え方を変えました。

未来を描くことよりも、

今日という1日を丁寧に生きることに意識を向ける。

たとえば、メールをひとつ送るときに、

相手の立場を想像して言葉を選ぶ。

会議の場で、自分の意見を一言でも伝えてみる。

そんな些細な行動の積み重ねが、

やがて「自分らしい働き方」の形を作っていきました。

小さな興味を追いかけてみる

「やりたいことが見つからない」という人は多いけれど、

「少し気になること」なら誰にでもあるはずです。

私の場合、それは「文章を書くこと」でした。

最初は、誰に見せるでもない日記から始めました。

でも書くことで、

自分の考えや感情が少しずつ整理されていきました。

そのうち、webライターを始めて、

「自分の言葉で誰かのを役に立てるんだ」と感じて、

自信がつき始めたのを覚えています。

少し気になるものというのは、最初はとても小さいものです。

でも、それを大切に育てていくことで、

やがて自分のビジョンにつながっていくと、

身をもって感じました。

他人の正解ではなく、自分の心が動く方向を信じる

キャリアの情報が溢れる今、

正解っぽい道を探すのは簡単です。

でも、他人の正解は、自分の幸せとは限りません。

私も以前、「成功している人の真似」をしてみたことがあります。

結果、うまくいくどころか、どんどん心が疲れてしまいました。

その経験から学んだのは、

納得感のない努力は長く続かないということ。

だから今は、

「うまくいきそうか」よりも「心が動くか」で選ぶようにしています。

そうすると、不思議とモチベーションが途切れません。

今、ビジョンが見えなくて悩んでいる人へ

「目標がない自分」を責める必要はありません。

人は、いつも何かを“探している途中”の存在だからです。

将来のビジョンが見えないとき、

それは“自分が変化の途中にいる”というサイン。

まだ形になっていない可能性が、

静かに内側で育っているだけかもしれません。

焦って方向を決めるより、

今の自分の状態を受け止めること。

その優しさこそが、次のステップに進む力になります。

ビジョンは“描くより育てるもの

昔の私は、

「ビジョンを持てない自分はダメだ」と思っていました。

でも今は、

ぼんやりした時期”があったからこそ、

自分の軸をゆっくり見つけることができたと思っています。

明確なゴールを掲げて走る人も素晴らしい。

でも、立ち止まって考える人もまた、

確実に前に進んでいる。

将来のビジョンは、

誰かに見せるための「完成形」ではなく、

日々の中で少しずつ育っていく“生きた輪郭”のようなものです。

焦らず、比べず、

あなたのペースで育てていけばいい。

今日も、ぼんやりしながら考えているその時間こそが、

きっと次の一歩をつくるための大切な種になるはずです。

では、また!

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